読書感想

朝井リョウ_「週末の朝,魅惑の楽園へGO!」を読んで

2015年5月16日にネットに公開された「作家の口福」シリーズの朝井リョウのエッセイを読んだ。その感想を記す。

 

【本文】

ファミリーレストランのモーニングメニューが,好きだ。週末に早起きをし,モーニングにありつくことを心の支えにしているため,金曜または土曜の夜というベストタイミングでの会合を断る日々である。さらに,モーニングをよりおいしくいただくため,夕飯を控え,飢えを捏造する日もある。腹が減り過ぎてなかなか眠れず,結果寝過ごし,モーニングメニュー提供時間内に店に辿り着けないこともしばしばだ。今回はそんな私がよく利用する店と,その魅力を紹介したい。

まずは,何と言ってもロイヤルホスト(以下,ロイホ)だろう。ロイホの場合,モーニングと書いてビュッフェと読み,ビュッフェと書いて楽園と読む。二重のルビが必要だ。

確かに,少々値は張る。だが,朝からビュッフェともなると,あれ?今旅行中だっけ?なんて気分に浸れる。私の愛用する店舗では,パンケーキを焼いてくれるサービスや,自由に使えるオーブンもある(クロワッサンを一分半チンするのが最高!)。また,ビュッフェということで,おいしいと評判のロイホ特製カレーを思う存分楽しめるのも嬉しい。ルーのみをよそい,スクランブルエッグやウインナーを浸して食べるカレーフォンデュ……多幸感!裏おすすめとしては,モーニングでしか姿を見せない「焼きそば」を推したい。高級志向のロイホ様が焼きそば?と顰めた眉」を元に戻してほしい。ロイホというワンランク上の空間に浮かび上がるハッキリとしたソース味は,いっそ尊さを纏うのである。

続いて,私の盟友・ジョナサンの登場だ。かつて『情熱大陸』に上陸した私は,その中でジョナサン大陸にも立ち寄っている。NHKの『SWITCH』という番組で俳優の東出昌大さんと対談をした場所もジョナサンだ。収録後,店員さんが「今後もご利用ください」と渡してくださったクーポン券入りの封筒をその場で即開封し,「今開けるなよ!」と東出さんに普通に叱られたことも良い思い出である。

ジョナサンでのおすすめは,スクランブルモーニングセット+厚焼きトーストのコンボだ。焼きたてのトーストに塗ったバターがとろりと溶け始めたころ,その上にふわふわの卵をこんもりと盛るのである。卵の甘味,バターの塩気,焼きたてトーストのさくさくの食感……おいしさの三点倒立やあ!ドリンクバーに野菜ジュースが入っている点も,グッジョブだ。

土曜の朝にこれを読んでいる皆さん,大抵,午前十時半まではどのファミレスもモーニングメニューを提供しています。今から家を出る準備をすれば,間に合うのではないですか!?

 

【感想】

・作者のファミレス愛が凄い。東出さんとの対談は視聴済みだが,その中で,注文を取る時の慣れがものすごかった。

・作者は兼業時代,よくファミレスで執筆してたという。頼むものとかも決めているのだろうな,と感じた。

・ファミレスについてのエッセイって,今まで読んだことがなかったため,新鮮でとても面白かった。